第七章 航空運送事業等

 
第七章 航空運送事業等
 (免許)
第百条 定期航空運送事業を経営しようとする者は、路線ごとに運輸大臣の免許を受
 けなければならない。
2 前項の免許を受けようとする者は、申請書に事業計画(航空機の運航及びこれを
 行うために必要な整備に関する計画をいう。以下同じ。)、事業収支見積その他運
  輸省令で定める事項を記載し、これを運輸大臣に提出しなければならない。
3 運輸大臣は、申請者に対し、前項に規定するものの外、商業登記簿の謄本その他
 必要な書類の提出を求めることができる。
 (免許基準)
第百一条 運輸大臣は、前条の免許の申請があつたときは、その申請が次の各号に適
 合するかどうかを審査しなければならない。
 一 当該事業の開始が公衆の利用に適応するものであること。
 二 当該事業の開始によつて当該路線における航空輸送力が航空輸送需要に対し、
  著しく供給過剰にならないこと。
 三 事業計画が経営上及び航空保安上適切なものであること。
 四 申請者が当該事業を適確に遂行するに足る能力を有するものであること。
 五 申請者が次に掲げる者に該当するものでないこと。 イ 第四条第一項各号に
  掲げる者 ロ 定期航空運送事業、不定期航空運送事業又は航空機使用事業の免
  許の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者 ハ この法律の規
  定に違反して禁錮 こ 以上の刑に処せられて、その執行を終わり、又は執行を
  受けることがなくなつた日から二年を経過しない者 ニ 法人であつて、その役
  員がロ又はハの一に該当するもの
2 運輸大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項の基準に適合して
 いると認めたときは、定期航空運送事業の免許をしなければならない。
    (運航開始前の検査)
第百二条 第百条第一項の免許を受けた者(以下「定期航空運送事業者」という。)
 は、当該免許に係る事業の用に供する航空機その他の施設について運輸大臣の検査
 を受け、これに合格しなければ、運航を開始してはならない。
2 運輸大臣は、前項の検査の結果、当該施設によつて定期航空運送事業者がこの法
 律及び事業計画に従う業務を行うことができると認めるときは、これを合格としな
 ければならない。
 (削除)
第百三条 削除
 (運航規程及び整備規程の認可)
第百四条 定期航空運送事業者は、運輸省令で定める航空機の運航及び整備に関する
 事項について運航規程及び整備規程を定め、運輸大臣の認可を受けなければならな
 い。これを変更しようとするときも同様である。
2 運輸大臣は、前項の運航規程又は整備規程が運輸省令で定める技術上の基準に適
 合していると認めるときは、同項の認可をしなければならない。
 (運賃及び料金)
第百五条 定期航空運送事業者は、旅客及び貨物(郵便物を除く。)の運賃及び料金
 (本邦内の各地間において発着する旅客及び貨物の料金のうち運輸省令で定めるも
 のを除く。)を定め、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しよう
    とするときも同様である。
2 運輸大臣は、前項の認可をしようとするときは、左の基準によつてこれをしなけ
 ればならない。
 一 能率的な経営の下における当該事業の適正な経費に適正な利潤を含めたものの
  範囲をこえることとならないこと。
 二 当該事業の提供するサービスの性質が考慮されているものであること。
 三 特定の旅客又は荷主に対し、不当な差別的取扱をするものでないこと。
 四 旅客又は荷主が当該事業を利用することを著しく困難にするおそれがないもの
  であること。
 五 他の航空運送事業者との間に、不当な競争をひき起すこととなるおそれがない
  ものであること。
3 定期航空運送事業者は、第一項の運輸省令で定める料金を定めようとするときは、
 その旨を運輸大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも同様
 である。
4 定期航空運送事業者は、第一項後段の規定にかかわらず、当該定期航空運送事業
 に係る総収入を減少させないと見込まれる範囲内で、運輸省令で定めるところによ
 り、適用する期間又は区間その他の条件を定めて、同項の認可を受けた運賃又は料
 金(本邦内の各地間において発着する旅客及び貨物に係るものに限る。)の割引を
 行うことができる。この場合には、当該定期航空運送事業者は、あらかじめ、その
  旨を運輸大臣に届け出なければならない。
 (運送約款の認可)
第百六条 定期航空運送事業者は、運送約款を定め、運輸大臣の認可を受けなければ
 ならない。これを変更しようとするときも同様である。
2 運輸大臣は、前項の認可をしようとするときは、左の基準によつてこれをしなけ
 ればならない。
 一 公衆の正当な利益を害するおそれがないものであること。
 二 少くとも運賃及び料金の収受並びに運送に関する事業者の責任に関する事項が
  定められていること。
 (運賃及び料金等の掲示)
第百七条 定期航空運送事業者は、運賃及び料金並びに運送約款を営業所その他の事
 業所において公衆に見やすいように掲示しなければならない。
 

 (事業計画)
第百八条 定期航空運送事業者は、その業務を行う場合には、天候その他やむを得な
 い事由のある場合を除く外、事業計画に定めるところに従わなければならない。
2 運輸大臣は、定期航空運送事業者が前項の規定に違反していると認めるときは、
 当該定期航空運送事業者に対し、事業計画に従い業務を行うべきことを命ずること
 ができる。
第百九条 定期航空運送事業者は、事業計画の変更(第三項に規定するものを除く。
    )をしようとするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない。
2 第百一条(第一項第五号に係るものを除く。)の規定は、前項の認可について準
 用する。
3 定期航空運送事業者は、運輸省令で定める事業計画の変更をするときは、あらか
 じめその旨を、運輸省令で定める軽微な事項に係る事業計画の変更をしたときは、
 遅滞なくその旨を、運輸大臣に届け出なければならない。
 (運輸に関する協定)
第百十条 定期航空運送事業者は、他の運送事業者と連絡運輸に関する契約、運賃協
 定その他の運輸に関する協定をしようとするときは、運輸大臣の認可を受けなけれ
 ばならない。これを変更しようとするときも同様である。
2 運輸大臣は、当該協定が公衆の利便を増進するものであるときは、前項の認可を
 しなければならない。
 (私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外)
第百十一条 前条第一項の認可を受けて行う正当な行為には、私的独占の禁止及び公

 正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の規定は、適用しない。
 但し、不公正な取引方法を用いる場合又は一定の取引分野における競争を実質的に
 制限することにより不当に運賃又は料金を引き上げることとなる場合は、この限り
 でない。
 (事業改善の命令)
   第百十二条 運輸大臣は、定期航空運送事業者の事業について公共の福祉を阻害して
 いる事実があると認めるときは、当該定期航空運送事業者に対し、左の各号に掲げ
 る事項を命ずることができる。
 一 事業計画を変更すること。
 二 運賃、料金又は運送約款を変更すること。
 三 航空機その他の施設を改善すること。
 四 航空事故により支払うことあるべき損害賠償のため保険契約を締結すること。
 (名義の利用、事業の貸渡等)
第百十三条 定期航空運送事業者は、その名義を他人に定期航空運送事業のため利用
 させてはならない。
2 定期航空運送事業者は、事業の貸渡その他いかなる方法をもつてするかを問わず、
 定期航空運送事業を他人にその名において経営させてはならない。
 (事業の譲渡及び譲受)
第百十四条 定期航空運輸事業者が当該定期航空運送事業を譲渡する場合において譲

 渡人及び譲受人が、その譲渡及び譲受について運輸大臣の認可を受けたときは、譲
 受人は、譲渡人のこの法律の規定による地位を承継する。
2 第百一条の規定は、前項の認可について準用する。
 (事業の合併)
第百十五条 定期航空運送事業者たる法人の合併の場合(定期航空運送事業者たる法
  人と定期航空運送事業を営まない法人が合併する場合において、定期航空運送事業
 者たる法人が存続するときを除く。)において当該合併について運輸大臣の認可を
 受けたときは、合併後存続する法人又は合併により設立された法人は、定期航空運
 送事業者のこの法律の規定による地位を承継する。
2 第百一条の規定は、前項の認可について準用する。
 (相続)
第百十六条 定期航空運送事業者が死亡した場合においては、その相続人(相続人が
 二人以上ある場合においては、その協議により定めた事業を承継すべき一人の相続
 人)は、被相続人たる定期航空運送事業者のこの法律の規定による地位を承継する。
2 前項の相続人は、被相続人の死亡後六十日以内にその相続について運輸大臣の認
 可を申請しなければ、その期間の経過後は、定期航空運送事業の免許は、その効力
 を失う。認可の申請に対し、認可しない旨の処分があつた場合において、その日以
 後についても同様である。
3 第百一条の規定は、前項の認可について準用する。
 (事業の休止)
第百十七条 定期航空運送事業者は、その事業を休止しようとするときは、運輸大臣

 の許可を受けなければならない。
2 運輸大臣は、当該休止によつて公衆の利便が著しく阻害されるおそれがあると認
 める場合を除く外、前項の許可をしなければならない。
   3 第一項の事業の休止の許可は、一年をこえる期間についてすることができない。
 (事業の廃止)
第百十八条 定期航空運送事業者は、その事業を廃止したときは、遅滞なくその旨を
 運輸大臣に届け出なければならない。
 (事業の停止及び免許の取消)
第百十九条 運輸大臣は、定期航空運送事業者が左の各号の一に該当するときは、六
 箇月以内において期間を定めて事業の停止を命じ、又は免許を取り消すことができ
 る。
 一 この法律、この法律に基く処分又は免許、許可若しくは認可に附した条件に違
  反したとき。
 二 正当な理由がないのにこの章の規定により認可を受けた事項を実施しないとき。
 (免許の失効)
第百二十条 定期航空運送事業者が第四条第一項各号に掲げる者に該当するに至つた
 ときは、その者に係る第百条第一項の免許は、効力を失う。

 (外国人等の取得した株式の取扱い)
第百二十条の二 証券取引所に上場されている株式又はこれに準ずるものとして運輸
 省令で定める株式を発行している会社である定期航空運送事業者は、その株式を取
 得した第四条第一項第一号から第三号までに掲げる者(以下「外国人等」という。
 )から、その氏名及び住所を株主名簿に記載することの請求を受けた場合において、 
  その請求に応ずることにより同項第四号に該当することとなるときは、その氏名及
 び住所を株主名簿に記載することを拒むことができる。
2 前項の定期航空運送事業者は、運輸省令で定めるところにより、外国人等がその
 議決権に占める割合を公告しなければならない。ただし、その割合が運輸省令で定
 める割合に達しないときは、この限りでない。
 (不定期航空運送事業)
第百二十一条 不定期航空運送事業を経営しようとする者は、運輸大臣の免許を受け
 なければならない。
2 第百条第二項及び第三項並びに第百一条(第一項第一号及び第二号に係るものを
 除く。)の規定は、前項の免許について準用する。
第百二十二条 第百二条、第百四条から第百六条まで、第百八条から第百十六条まで、
 第百十九条及び第百二十条の規定(第百十四条第二項、第百十五条第二項又は第百
 十六条第三項中第百一条第一項第一号及び第二号の準用に係るものを除く。)は、
 不定期航空運送事業に準用する。この場合において、第百十九条第二号中「認可」
 とあるのは「免許又は認可」と読み替えるものとする。
2 前条第一項の免許を受けた者(以下「不定期航空運送事業者」という。)は、そ
 の事業を休止し、又は廃止したときは、遅滞なくその旨を運輸大臣に届け出なけれ
 ばならない。
 (航空機使用事業)
   第百二十三条 航空機使用事業を経営しようとする者は、運輸大臣の免許を受けなけ
 ればならない。
2 第百条第二項及び第三項並びに第百一条(第一項第一号及び第二号に係るものを
 除く。)の規定は、前項の免許について準用する。
第百二十四条 第百二条、第百八条、第百九条、第百十二条(第二号に係るものを除
 く。)、第百十三条から第百十六条まで(第百十四条第二項、第百十五条第二項又
 は第百十六条第三項中第百一条第一項第一号及び第二号の準用に係るものを除く。
 )、第百十九条、第百二十条及び第百二十二条第二項の規定は、航空機使用事業に
 準用する。この場合において、第百十九条第二号中「認可」とあるのは「免許又は
 認可」と読み替えるものとする。
 (免許等の条件)
第百二十五条 この章に規定する免許、許可又は認可には、条件又は期限を附し、及

 びこれを変更することができる。
2 前項の条件又は期限は、公衆の利益を増進し、又は免許、許可若しくは認可に係
 る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該定期航空
 運送事業者、不定期航空運送事業者又は航空機使用事業者(第百二十三条第一項の
 免許を受けた者をいう。以下同じ。)に不当な義務を課することとならないもので
 なければならない。