第六章 航空機の運航

 
 第六章 航空機の運航
(国籍等の表示)
第五十七条 航空機には、運輸省令で定めるところに従い、国籍、登録記号及び所有
 者の氏名又は名称を表示しなければ、これを航空の用に供してはならない。但し、
 第十一条第一項ただし書の規定による許可を受けた場合は、この限りでない。
 (航空日誌)
第五十八条 航空機の使用者は、航空日誌を備えなければならない。
2 航空機の使用者は、航空機を航空の用に供した場合又は整備し、若しくは改造し
 た場合には、遅滞なく航空日誌に運輸省令で定める事項を記載しなければならない。
3 前二項の規定は、第十一条第一項ただし書の規定による許可を受けた場合には、
 適用しない。
 (航空機に備え付ける書類)
第五十九条 航空機(運輸省令で定める航空機を除く。)には、左に掲げる書類を備
 え付けなければ、これを航空の用に供してはならない。但し、第十一条第一項ただ
 し書の規定による許可を受けた場合は、この限りでない。
 

 一 航空機登録証明書
 二 耐空証明書
 三 航空日誌
 四 その他運輸省令で定める航空の安全のために必要な書類
2 第二十条第一項に規定する航空機(第二十条の三第一項各号に掲げる航空機を除
 く。)には、前項各号に掲げる書類のほか、騒音基準適合証明書を備え付けなけれ
 ば、これを航空の用に供してはならない。ただし、第二十条の二第三項において同
 条第一項の場合に準用する第十一条第一項ただし書の規定による許可を受けた場合
 は、この限りでない。
 (航空機の姿勢等を測定するための装置)
第六十条 航空機は、運輸省令で定めるところにより航空機の姿勢、高度、位置又は
 針路を測定するための装置を装備しなければ、計器飛行等を行なつてはならない。
 ただし、運輸大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。
 (航空交通管制区等における航行を行なうための装置)
第六十一条 航空機は、運輸省令で定めるところにより無線電話、航空交通管制用自
 動応答装置その他の航空交通の安全を確保するための装置を装備しなければ、航空
 交通管制区又は航空交通管制圏において航行してはならない。ただし、運輸大臣の
 許可を受けた場合は、この限りでない。
 (航空運送事業の用に供する航空機の装置)
第六十一条の二 航空運送事業の用に供する航空機は、運輸省令で定めるところによ
 り無線電話(前条の規定により装備する場合を除く。)、計器着陸装置を利用する
 ための装置及び雲の状況を探知するためのレーダーを装備しなければ、航行しては
 ならない。ただし、運輸大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。
2 航空運送事業の用に供する航空機は、運輸省令で定めるところにより、飛行記録
 装置その他の航空機の運航の状況を記録するための装置を装備し、及び作動させな
 ければ、これを航空の用に供してはならない。ただし、運輸大臣の許可を受けた場
 合は、この限りでない。
3 航空運送事業を経営する者は、運輸省令で定めるところにより前項の装置による
 記録を保存しなければならない。
 (救急用具)
第六十二条 運輸省令で定める航空機には、落下さん、救命胴衣、非常信号燈その他
 の運輸省令で定める救急用具を装備しなければ、これを航空の用に供してはならない。
 (航空機の燃料)
第六十三条 航空機は、航空運送事業の用に供する場合又は計器飛行方式により飛行
 しようとする場合においては、運輸省令で定める量の燃料を携行しなければ、これ
 を出発させてはならない。
 (航空機の燈火)
第六十四条 航空機は、夜間(日没から日出までの間をいう。以下同じ。)において
 航行し、又は夜間において使用される飛行場に停留する場合には、運輸省令で定め
 るところによりこれを燈火で表示しなければならない。但し、水上にある場合につ
 いては、海上衝突予防法(昭和五十二年法律第六十二号)の定めるところによる。
 (航空機に乗り組ませなければならない者)
第六十五条 航空機には、第二十八条の規定によりこれを操縦することができる航空
 従事者を乗り組ませなければならない。
2 次の表の航空機の欄に掲げる航空機には、前項の航空従事者のほか、第二十八条
 の規定により同表の業務の欄に掲げる行為を行うことができる航空従事者を乗り組
 ませなければならない。 航空機 業務 次の各号の一に該当する航空機 02一
  構造上、その操縦のために二人を要する航空機
 二 特定の方法又は方式により飛行する場合に限りその操縦のために二人を要する
 航空機であつて当該特定の方法又は方式により飛行するもの
 三 旅客の運送の用に供する航空機で計器飛行方式により飛行するもの
 四 旅客の運送の用に供する航空機で飛行時間が五時間を超えるもの 航空機の操
 縦 構造上、操縦者(航空機の操縦に従事する者をいう。以下同じ。)だけでは発
 動機及び機体の完全な取扱いができない航空機 航空機に乗り組んで行うその発動
 機及び機体の取扱い(操縦装置の操作を除く。) 
第六十六条 左の表の航空機の欄に掲げる航空機には、前条の航空従事者の外、第二
 十八条の規定により同表の業務の欄に掲げる行為を行うことができる航空従事者を
 乗り組ませなければならない。 航空機 業務 第六十条、第六十一条又は第六十
 一条の二第一項の規定により無線設備(受信のみを目的とするものを除く。)を装
 備して飛行し、又は航行する航空機 上欄に掲げる無線設備の操作 無着陸で五百
 五十キロメートル以上の区間を飛行する航空機(飛行中常時地上物標又は航空保安
 施設を利用できると認められるもの並びに慣性航法装置その他の運輸省令で定める
 航空機の位置及び針路の測定並びに航法上の資料の算出のための装置を装備するも
 のを除く。) 航空機の位置及び針路の測定並びに航法上の資料の算出 
2 前項の規定にかかわらず、同項同表の業務の欄に掲げるそれぞれの業務を他の航
 空従事者の業務を行う者が行うことによりその業務に支障を生ずることとならない
 場合は、同項に規定する航空従事者を乗り組ませなくてもよい。
 (航空従事者の携帯する書類)
第六十七条 航空従事者は、その航空業務を行う場合には、技能証明書を携帯しなけ
 ればならない。
2 航空従事者は、航空機に乗り組んでその航空業務を行う場合には、技能証明書の
 外、航空身体検査証明書を携帯しなければならない。
 (乗務割の基準)
第六十八条 航空運送事業を経営する者は、運輸省令で定める基準に従つて作成する
 乗務割によるのでなければ、航空従事者をその使用する航空機に乗り組ませて航空
 業務に従事させてはならない。
 (最近の飛行経験)
第六十九条 航空機乗組員(航空機に乗り組んで航空業務を行なう者をいう。以下同
 じ。)は、運輸省令で定めるところにより、一定の期間内における一定の飛行経験
 がないときは、航空運送事業の用に供する航空機の運航に従事し、又は計器飛行、
 夜間の飛行若しくは第三十四条第二項の操縦の教育を行つてはならない。
 (酒精飲料等)
第七十条 航空機乗組員は、酒精飲料又は麻酔剤その他の薬品の影響により航空機の
 正常な運航ができないおそれがある間は、その航空業務を行つてはならない。
 (身体障害)
第七十一条 航空機乗組員は、第三十一条第三項の身体検査基準に適合しなくなつた
 ときは、第三十三条の航空身体検査証明の有効期間内であつても、その航空業務を
 行つてはならない。
 (操縦者の見張り義務)
第七十一条の二 航空機の操縦を行なつている者(航空機の操縦の練習をし又は計器
 飛行等の練習をするためその操縦を行なつている場合で、その練習を監督する者が
 同乗しているときは、その者)は、航空機の航行中は、第九十六条第一項の規定に
 よる運輸大臣の指示に従つている航行であるとないとにかかわらず、当該航空機外
 の物件を視認できない気象状態の下にある場合を除き、他の航空機その他の物件と
 衝突しないように見張りをしなければならない。
 (機長の路線資格)
第七十二条 定期航空運送事業の用に供する航空機には、運輸省令で定める当該路線
 

 における航空機の機長として必要な経験、知識及び能力を有することについて運輸
 大臣の認定を受けた者でなければ、機長として乗り組んではならない。
2 運輸大臣は、前項の認定を受けた者が同項の経験、知識及び能力を有するかどう
 かを定期に審査しなければならない。
3 運輸大臣は、必要があると認めるときは、第一項の認定を受けた者が同項の経験
    知識及び能力を有するかどうかを臨時に審査をしなければならない。
4 第一項の認定を受けた者が、第二項の審査を受けなかつたとき、前項の審査を拒
 否したとき、又は第二項若しくは前項の審査に合格しなかつたときは、当該認定は、
 その効力を失うものとする。
5 第一項の規定は、運輸大臣の指定する範囲内の機長で、第百二条第一項の定期航
 空運送事業者で運輸大臣が申請により指定したもの(以下「指定定期航空運送事業
 者」という。)の当該事業の用に供する航空機に乗り組むものが、第一項の経験、
 知識及び能力を有することについて当該指定定期航空運送事業者の認定を受けたと
 きは、適用しない。
6 指定定期航空運送事業者は、前項の認定を受けた者及び運輸大臣の指定する範囲
 内の機長で第一項の認定を受けたものについて、第二項及び第三項の規定に準じて
 

 審査をしなければならない。この場合においては、第二項及び第三項の規定は、適
 用しない。
7 第四項の規定は、前項の審査について準用する。
8 運輸大臣は、必要があると認めるときは、第六項の規定により指定定期航空運送
 事業者が審査をすべき者についても第二項及び第三項の審査をすることができる。
 この場合においては、第四項の規定の適用があるものとする。
9 指定定期航空運送事業者は、第五項の認定及び第六項の審査を行なうときは、運
 輸大臣が当該指定定期航空運送事業者の申請により指名した運輸省令で定める要件
    を備える者に実施させなければならない。
10 前各項の規定を実施するために必要な細目的事項については、運輸省令で定め
 る。
 (機長の権限)
第七十三条 機長(機長に事故があるときは、機長に代わつてその職務を行なうべき
 ものとされている者。以下同じ。)は、当該航空機に乗り組んでその職務を行う者
 を指揮監督する。
 (出発前の確認)
第七十三条の二 機長は、運輸省令で定めるところにより、航空機が航行に支障がな
 いことその他運航に必要な準備が整つていることを確認した後でなければ、航空機
 を出発させてはならない。
 (安全阻害行為等の抑止の措置等)
第七十三条の三 機長は、航空機内にある者が、離陸のため当該航空機のすべての乗
 降口が閉ざされた時から着陸の後降機のためこれらの乗降口のうちいずれかが開か
 れる時までに、当該航空機の安全を害し、当該航空機内にあるその者以外の者若し
 

 くは財産に危害を及ぼし、当該航空機内の秩序をみだし、若しくは当該航空機内の
 規律に違反する行為をし、又はこれらの行為をしようとしていると信ずるに足りる
 相当な理由があるときは、当該航空機の安全の保持、当該航空機内にあるその者以
 外の者若しくは財産の保護又は当該航空機内の秩序若しくは規律の維持のために必
    要な限度で、その者に対し拘束その他これらの行為を抑止するための措置をとり、
 又はその者を降機させることができる。
2 機長は前項の規定に基づき拘束している場合において、航空機を着陸させたとき
 は、拘束されている者が拘束されたまま引き続き塔 とう 乗することに同意する
 場合及びその者を降機させないことについてやむを得ない事由がある場合を除き、
 その者を引き続き拘束したまま当該航空機を離陸させてはならない。
3 航空機内にある者は、機長の要請又は承認に基づき、機長が第一項の措置をとる
 ことに対し必要な援助を行なうことができる。
4 機長は、航空機を着陸させる場合において、第一項の規定に基づき拘束している
 者があるとき、又は同項の規定に基づき降機させようとする者があるときは、でき
 る限り着陸前に、拘束又は降機の理由を示してその旨を着陸地のもよりの航空交通
 管制機関に連絡しなければならない。
 (危難の場合の措置)
第七十四条 機長は、航空機又は旅客の危難が生じた場合又は危難が生ずるおそれが
 あると認める場合は、航空機内にある旅客に対し、避難の方法その他安全のため必
 要な事項(機長が前条第一項の措置をとることに対する必要な援助を除く。)につ
 いて命令をすることができる。
第七十五条 機長は、航空機の航行中、その航空機に急迫した危難が生じた場合には、
 旅客の救助及び地上又は水上の人又は物件に対する危難の防止に必要な手段を尽く
    さなければならない。
 (報告の義務)
第七十六条 機長は、左に掲げる事故が発生した場合には、運輸省令で定めるところ
 により運輸大臣にその旨を報告しなければならない。但し、機長が報告することが
 できないときは、当該航空機の使用者が報告しなければならない。
 一 航空機の墜落、衝突又は火災
 二 航空機による人の死傷又は物件の損壊
 三 航空機内にある者の死亡又は行方不明
 四 他の航空機との接触
 五 その他運輸省令で定める航空機に関する事故
2 機長は、他の航空機について前項第一号の事故が発生したことを知つたときは、
 無線電信又は無線電話により知つたときを除いて、運輸省令で定めるところにより
 運輸大臣にその旨を報告しなければならない。
3 機長は、飛行中航空保安施設の機能の障害その他の航空機の航行の安全に影響を
 及ぼすおそれがあると認められる運輸省令で定める事態が発生したことを知つたと
 きは、他からの通報により知つたときを除いて、運輸省令で定めるところにより運
 輸大臣にその旨を報告しなければならない。
第七十六条の二 機長は、飛行中他の航空機との衝突又は接触のおそれがあつたと認
 めたときは、運輸省令で定めるところにより運輸大臣にその旨を報告しなければな
 らない。
 (運航管理者)
第七十七条 定期航空運送事業の用に供する航空機は、その機長が、第百二条第一項
 の定期航空運送事業者の置く運航管理者の承認を受けなければ、出発し、又はその
 飛行計画を変更してはならない。
第七十八条 前条の運航管理者は、運輸大臣の行う運航管理者技能検定に合格した者
 でなければならない。
2 運航管理者技能検定は、申請者が前条の業務を行うために必要な航空機、航空保
 安施設、無線通信及び気象に関する知識及び技能を有するかどうかを判定するため
 に行う。
3 運航管理者技能検定は、運輸省令で定める年齢及び航空機の運航に関する経験を
 有する者でなければ、受けることができない。
4 第二十七条、第二十九条及び第三十条の規定は、運航管理者技能検定に準用する。
5 運航管理者技能検定の申請手続其の他の実施細目は、運輸省令で定める。
 (離着陸の場所)
第七十九条 航空機(運輸省令で定める航空機を除く。)は、陸上にあつて飛行場以
 外の場所において、水上にあつては運輸省令で定める場所において、離陸し、又は
 着陸してはならない。但し、運輸大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。
 (飛行の禁止区域)
第八十条 航空機は、運輸省令で定める航空機の飛行に関し危険を生ずるおそれがあ
 る区域の上空を飛行してはならない。但し、運輸大臣の許可を受けた場合は、この
 限りでない。
 (最低安全高度)
第八十一条 航空機は、離陸又は着陸を行う場合を除いて、地上又は水上の人又は物
 件の安全及び航空機の安全を考慮して運輸省令で定める高度以下の高度で飛行して
 はならない。但し、運輸大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。
 (捜索又は救助のための特例)
第八十一条の二 前三条の規定は、運輸省令で定める航空機が航空機の事故、海難そ
 の他の事故に際し捜索又は救助のために行なう航行については、適用しない。
 

 (巡航高度)
第八十二条 航空機は、地表又は水面から九百メートル(計器飛行方式により飛行す
 る場合にあつては、三百メートル)以上の高度で巡航する場合には、運輸省令で定
 める高度で飛行しなければならない。
2 航空機は、航空交通管制区内にある航空路の空域(第九十四条の二第一項に規定
 する特別管制空域を除く。)のうち運輸大臣が告示で指定する航空交通がふくそう
 する空域を計器飛行方式によらないで飛行する場合は、高度を変更してはならない。
 ただし、左に掲げる場合は、この限りでない。
 一 離陸した後引き続き上昇飛行を行なう場合
 二 着陸するため降下飛行を行なう場合
 三 悪天候を避けるため必要がある場合であつて、当該空域外に出るいとまがない
  とき、又は航行の安全上当該空域内での飛行を維持する必要があるとき。
 四 その他やむを得ない事由がある場合
3 運輸大臣は、前項の空域(以下「高度変更禁止空域」という。)ごとに、同項の
 規定による規制が適用される時間を告示で指定することができる。
 (航空交通管制圏等における速度の制限)
第八十二条の二 航空機は、左に掲げる空域においては、運輸省令で定める速度をこ
 える速度で飛行してはならない。ただし、運輸大臣の許可を受けた場合は、この限
 りでない。
 一 航空交通管制圏
 二 第九十六条第三項第四号に規定する進入管制区のうち航空交通管制圏に接続す
  る部分の運輸大臣が告示で指定する空域
 (衝突予防等)
第八十三条 航空機は、他の航空機又は船舶との衝突を予防し、並びに飛行場におけ
 る航空機の離陸及び着陸の安全を確保するため、運輸省令で定める進路、経路、速
 度その他の航行の方法に従い、航行しなければならない。但し、水上にある場合に
 ついては、海上衝突予防法の定めるところによる。
 (編隊飛行)
   第八十四条 航空運送事業の用に供する航空機は、運輸大臣の許可を受けなければ、
 編隊で飛行してはならない。
2 航空機は、編隊で飛行する場合には、その機長は、これを行う前に、編隊の方法、
 航空機相互間の合図の方法その他運輸省令で定める事項について打合せをしなけれ
 ばならない。
 (粗暴な操縦の禁止)
第八十五条 航空機は、運航上の必要がないのに低空で飛行を行い、高調音を発し、
 又は急降下し、その他他人に迷惑を及ぼすような方法で操縦してはならない。
 (爆発物等の輸送禁止)
第八十六条 爆発性又は易燃性を有する物件その他人に危害を与え、又は他の物件を
 損傷するおそれのある物件で運輸省令で定めるものは、航空機で輸送してはならな
 い。
2 何人も、前項の物件を航空機内に持ち込んではならない。
第八十六条の二 航空運送事業を経営する者は、貨物若しくは手荷物又は旅客の携行
 品その他航空機内に持ち込まれ若しくは持ち込まれようとしている物件について、
 形状、重量その他の事情により前条第一項の物件であることを疑うに足りる相当な
 理由がある場合は、当該物件の輸送若しくは航空機内への持ち込みを拒絶し、託送
 人若しくは所持人に対し当該物件の取卸しを要求し、又は自ら当該物件を取り卸す
 ことができる。但し、自ら物件を取り卸すことができるのは、当該物件の託送人又
 は所持人がその場に居合わせない場合に限る。
2 運輸大臣は、航空の安全を確保するため特に必要があると認めるときは、航空運
 送事業を経営する者に対し、前項の規定による措置を講ずべきことを命ずることが
 できる。
 (無操縦者航空機)
第八十七条 第六十五条及び第六十六条の規定にかかわらず、操縦者が乗り組まない
 で飛行することができる措置を有する航空機は、運輸大臣の許可を受けた場合には、
 これらの規定に定める航空従事者を乗り組ませないで飛行させることができる。
2 運輸大臣は、前項の許可を行う場合において他の航空機に及ぼす危険を予防する
 ため必要があると認めるときは、当該航空機について飛行の方法を限定することが
 できる。
 (物件の曳航)
第八十八条 航空機による物件の曳(えい)航は、運輸省令で定める安全上の基準に
 従つて行わなければならない。
 (物件の投下)
第八十九条 何人も、航空機から物件を投下してはならない。但し、地上又は水上の
 人又は物件に危害を与え、又は損傷を及ぼすおそれのない場合であつて運輸大臣に
 届け出たときは、この限りでない。
 (落下さん降下)
第九十条 運輸大臣の許可を受けた者でなければ、航空機から落下さんで降下しては
 ならない。
 (曲技飛行等)
第九十一条 航空機は、左に掲げる空域以外の空域で運輸省令で定める高さ以上の空
 域において行う場合であつて、且つ、飛行視程が運輸省令で定める距離以上ある場
 合でなければ、宙返り、横転その他の運輸省令で定める曲技飛行、航空機の試験を
 する飛行又は運輸省令で定める著しい高速の飛行(以下「曲技飛行等」という。)
 を行つてはならない。但し、運輸大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。
 一 人又は家屋の密集している地域の上空
 二 航空交通管制区
 三 航空交通管制圏
2 航空機が曲技飛行等を行なおうとするときは、当該航空機の操縦を行なつている
 者(航空機の操縦の練習をするためその操縦を行なつている場合で、その練習を監
 督する者が同乗しているときは、その者)は、あらかじめ当該飛行により附近にあ
 る他の航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがないことを確認しなければなら
 ない。
 (操縦練習飛行等)
第九十二条 航空機は、航空交通管制区又は航空交通管制圏においては、左に掲げる
 飛行(曲技飛行等を除く。)を行なつてはならない。ただし、運輸大臣の許可を受
 けた場合は、この限りでない。
 一 操縦技能証明(自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第百七条第五項の
  規定に基づき定められた自衛隊の使用する航空機に乗り組んで操縦に従事する者
  の技能に関する基準による操縦技能証明に相当するものを含む。次号において同
  じ。)を受けていない者が航空機に乗り組んで操縦の練習をする飛行
 二 操縦技能証明を有する者が当該操縦技能証明について限定をされた範囲の航空
  機以外の航空機に乗り組んで操縦の練習をする飛行
 三 航空機の姿勢をひんぴんに変更する飛行その他の航空交通の安全を阻害するお
  それのある飛行で運輸省令で定めるもの
2 前条第二項の規定は、航空機が前項第三号に掲げる飛行(これに該当する同項第
 一号又は第二号に掲げる飛行を含む。)を行なおうとする場合に準用する。
 (計器飛行及び計器航法による飛行)
第九十三条 航空機は、地上物標を利用してその位置及び針路を知ることができると
 きは、計器飛行又は計器航法による飛行を行なつてはならない。
 (計器気象状態における飛行)
第九十四条 航空機は、計器気象状態においては、航空交通管制区又は航空交通管制
 圏にあつては計器飛行方式により飛行しなければならず、その他の空域にあつては
 飛行してはならない。ただし、予測することができない急激な天候の悪化その他の
 やむを得ない事由がある場合又は運輸大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。
 (計器飛行方式による飛行)
第九十四条の二 航空機は、航空交通管制区又は航空交通管制圏のうち運輸大臣が告
 示で指定する空域(以下「特別管制空域」という。)においては、計器飛行方式に
 よらなければ飛行してはならない。ただし、運輸大臣の許可を受けた場合は、この
 限りでない。
2 第八十二条第三項の規定は、前項の規定による規制について準用する。
 (航空交通管制圏における飛行)
第九十五条 航空機は、航空交通管制圏においては、左に掲げる飛行以外の飛行を行
 なつてはならない。ただし、運輸大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。
 一 当該航空交通管制圏に係る飛行場からの離陸及びこれに引き続く飛行(当該航
  空交通管制圏外に出た後再び当該航空交通管制圏において行なう飛行を除く。)
 二 当該航空交通管制圏に係る飛行場への着陸及びその着陸のための飛行
 (航空交通の指示)
第九十六条 航空機は、航空交通管制区又は航空交通管制圏においては、運輸大臣が
 航空交通の安全を考慮して、離陸若しくは着陸の順序、時機若しくは方法又は飛行
 の方法について与える指示に従つて航行しなければならない。
2 第二条第十二項の運輸大臣が指定する飛行場の業務に従事する者(運輸省令で定
 める飛行場の工事に関する業務に従事する者を含む。)は、その業務に関し、運輸
 大臣が当該飛行場における航空交通の安全のために与える指示に従わなければなら
 ない。
3 航空機は、左に掲げる航行を行なう場合は、第一項の規定による運輸大臣の指示
 を受けるため、運輸省令で定めるところにより運輸大臣に連絡したうえ、これらの
 航行を行なわなければならない。
 一 航空交通管制圏に係る飛行場からの離陸及び当該航空交通管制圏におけるこれ
  に引き続く上昇飛行
 二 航空交通管制圏に係る飛行場への着陸及び当該航空交通管制圏におけるその着
  陸のための降下飛行
 三 前二号に掲げる航行以外の航空交通管制圏における航行
 四 第一号に掲げる飛行に引き続く上昇飛行又は第二号に掲げる飛行に先行する降
  下飛行が行なわれる航空交通管制区のうち運輸大臣が告示で指定する空域(以下
  「進入管制区」という。)における計器飛行方式による飛行
 五 前号に掲げる飛行以外の航空交通管制区における計器飛行方式による飛行
 六 航空交通管制区内の特別管制空域における第九十四条の二第一項ただし書の許
  可を受けてする計器飛行方式によらない飛行
 (飛行計画及びその承認)
第九十七条 航空機は、計器飛行方式により、第二条第十二項の運輸大臣が指定する
 

 飛行場から出発し、又は航空交通管制区若しくは航空交通管制圏を飛行しようとす
 るときは、運輸省令で定めるところにより運輸大臣に飛行計画を通報し、その承認
  を受けなければならない。承認を受けた飛行計画を変更しようとするときも同様で
 ある。
2 航空機は、前項の場合を除き、飛行しようとするとき(運輸省令で定める場合を
 除く。)は、運輸省令で定めるところにより運輸大臣に飛行計画を通報しなければ
 ならない。
3 第一項又は前項の規定により、飛行計画の承認を受け、又は飛行計画を通報した
 航空機は、前条の運輸大臣の指示に従うの外、飛行計画に従つて航行しなければな
 らない。但し、通信機の故障があつた場合において運輸省令で定める方法に従つて
 航行するときは、この限りでない。
4 第一項又は第二項の規定により、飛行計画の承認を受け、又は飛行計画を通報し
 た航空機は、航空交通管制区又は航空交通管制圏において航行している間は、運輸
 省令で定める方法に従つて航空交通に関する運輸大臣の指示を聴取し、及び運輸大
 臣に当該航空機の位置、飛行状態その他運輸省令で定める事項を通報しなければな
 らない。
 (到着の通知)
第九十八条 前条の規定により、飛行計画の承認を受け、又は飛行計画を通報した航
 空機の機長は、当該航空機が飛行計画で定めた飛行を終つたときは、遅滞なく運輸
 大臣にその旨を通知しなければならない。
 (情報の提供)
第九十九条 運輸大臣は、運輸省令で定めるところにより、航空機乗組員に対し、航
 空機の運航のため必要な情報を提供しなければならない。
 (飛行に影響を及ぼすおそれのある行為)
第九十九条の二 何人も、航空交通管制圏、高度変更禁止空域又は航空交通管制区内
 の特別管制空域における航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのあるロケツトの打上
 げその他の行為(物件の設置及び植栽を除く。)で運輸省令で定めるものをしては
 ならない。ただし、運輸大臣が、当該行為について、航空機の飛行に影響を及ぼす
 おそれがないものであると認め、又は公益上必要やむを得ず、かつ、一時的なもの

 であると認めて許可をした場合は、この限りでない。
2 前項の空域以外の空域における航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある行為(
 物件の設置及び植栽を除く。)で運輸省令で定めるものをしようとする者は、運輸
 省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を運輸大臣に通報しなければなら
 ない。