第三章 航空機の安全性

 
 第三章 航空機の安全性
 (耐空証明)
第十条 運輸大臣は、申請により、航空機(運輸省令で定める滑空機を除く。以下こ
 の章において同じ。)について耐空証明を行う。
2 前項の耐空証明は、日本の国籍を有する航空機でなければ、受けることができな
 い。但し、政令で定める航空機については、この限りでない。
3 耐空証明は、航空機の用途及び運輸省令で定める航空機の運用限界を指定して行
 う。
4 運輸大臣は、第一項の申請があつたときは、当該航空機の強度、構造及び性能が、
 運輸省令で定める安全性を確保するための技術上の基準に適合するかどうかを検査
 し、これに適合すると認めるときは、耐空証明をしなければならない。但し、第十
 二条第一項の型式証明を受けた型式の航空機又は輸入した航空機その他の政令で定
 める航空機にあつては、設計又は生産過程について検査の一部を行わないことがで
 きる。
5 耐空証明は、申請者に耐空証明書を交付することによつて行う。
第十条の二 運輸省令で定める資格及び経験を有することについて運輸大臣の認定を
 受けた者(以下「耐空検査員」という。)は、前条第一項の航空機のうち運輸省令
 で定める滑空機について耐空証明を行うことができる。
2 前条第二項から第五項までの規定は、前項の耐空証明について準用する。
第十一条 航空機は、有効な耐空証明を受けているものでなければ、航空の用に供し
 てはならない。但し、試験飛行等を行うため運輸大臣の許可を受けた場合は、この
 限りでない。
2 航空機は、その受けている耐空証明において指定された航空機の用途又は運用限
 界の範囲内でなければ、航空の用に供してはならない。
3 第一項ただし書の規定は、前項の場合に準用する。
 (型式証明)
第十二条 運輸大臣は、申請により、航空機の型式の設計について型式証明を行う。
2 運輸大臣は、前項の申請があつたときは、その申請に係る型式の航空機がその強
 度、構造及び性能について第十条第四項の基準に適合すると認めるときは、前項の
 型式証明をしなければならない。
3 型式証明は、申請者に型式証明書を交付することによつて行う。
4 運輸大臣は、第一項の型式証明をするときは、あらかじめ通商産業大臣の意見を
 きかなければならない。
第十三条 型式証明を受けた者は、当該型式の航空機の設計の変更をしようとすると
 きは、運輸大臣の承認を受けなければならない。第十条第四項の基準の変更があつ
 た場合において、型式証明を受けた型式の航空機が同項の基準に適合しなくなつた
 ときも同様である。
2 運輸大臣は、前項の申請があつたときは、当該申請に係る設計について第十条第
 四項の基準に適合するかどうかを検査し、これに適合すると認めるときは、承認し
 なければならない。
3 前条第四項の規定は、運輸大臣が前項の承認をしようとする場合に準用する。
 (耐空証明の有効期間) 
   第十四条 耐空証明の有効期間は、一年とする。但し、航空運送事業の用に供する航
 空機については、運輸大臣が定める期間とする。
 (耐空証明の効力の停止等)
第十四条の二 運輸大臣は、第十条第四項、第十六条第一項又は第百三十四条第二項
 の検査の結果、当該航空機又は当該型式の航空機が前条の期間を経過する前に第十
 条第四項の基準に適合しなくなるおそれがあると認めるとき、その他航空機の安全
 性が確保されないと認めるときは、当該航空機又は当該型式の航空機の耐空証明の
 効力を停止し、若しくは有効期間を短縮し、又は第十条第三項(第十条の二第二項
 において準用する場合を含む。)の規定により指定した事項を変更することができ
 る。
 (耐空証明の失効)
第十五条 登録航空機の耐空証明は、航空機のまつ消登録があつた場合には、その
 効力を失う。
 (修理改造検査)
第十六条 耐空証明のある航空機の使用者は、当該航空機について運輸省令で定める
 範囲の修理又は改造(次条の予備品証明を受けた予備品を用いてする修理を除く。
 )をする場合には、その計画及び実施について運輸大臣の検査を受け、これに合格
 しなければ、これを航空の用に供してはならない。
2 第十条の二第一項の滑空機であつて、耐空証明のあるものの使用者は、当該滑空
 機について前項の修理又は改造をする場合において、耐空検査員の検査を受け、こ
 れに合格したときは、同項の規定にかかわらず、これを航空の用に供してもよい。
3 第十一条第一項ただし書の規定は、第一項の場合に準用する。
4 運輸大臣又は耐空検査員は、第一項又は第二項の検査の結果、当該航空機が第十
 条第四項の基準に適合すると認めるときは、これを合格としなければならない。
 (予備品証明)
第十七条 耐空証明のある航空機の使用者は、発動機、プロペラその他運輸省令で定
 める航空機の安全性の確保のため重要な装備品について、運輸大臣の予備品証明を
 受けることができる。
2 運輸大臣は、前項の予備品証明の申請があつた場合において、当該装備品がその
 強度、構造及び性能について第十条第四項の基準に適合するかどうかを検査し、こ
 れに適合すると認めるときは、予備品証明をしなければならない。
3 第一項の装備品の修理又は改造の能力が運輸省令で定める技術上の基準に適合す
 ることについて事業場ごとに行なう運輸大臣の認定を受けた者が当該認定に係る修
 理又は改造を行ない、且つ、運輸省令で定めるところにより、第十条第四項の基準
 に適合することについて確認をした装備品は、前条第一項の規定の適用については、
 第一項の予備品証明を受けたものとみなす。
4 予備品証明及び前項の確認には、運輸省令で定めるところにより、有効期間及び
 当該予備品に係る航空機の型式の限定を附するものとする。
5 予備品証明及び第三項の確認は、当該予備品について運輸省令で定める範囲の修
 理若しくは改造をした場合又は当該予備品が航空機に装備されるに至つた場合は、
 その効力を失う。
6 第三項の認定に関し必要な事項は、運輸省令で定める。
 (発動機等の整備)
第十八条 耐空証明のある航空機の使用者は、当該航空機に装備する発動機、プロペ
 ラその他運輸省令で定める安全性の確保のため重要な装備品を運輸省令で定める時
 間をこえて使用する場合には、運輸省令で定める方法によりこれを整備しなければ
 ならない。
 (航空機の整備又は改造)
第十九条 耐空証明のある航空機の使用者は、当該航空機について整備(運輸省令で
 定める軽微な保守を除く。次条第一項において同じ。)又は改造をした場合(第十
 六条第一項の修理又は改造をした場合を除く。)には、当該航空機が第十条第四項
 の基準に適合することについて確認をし又は確認を受けなければ、これを航空の用
 に供してはならない。ただし、確認をし又は確認を受けるとこが著しく困難な運輸
 省令で定める本邦外の地域において航空機の整備をした場合において、運輸省令で
 定めるところにより、一定の資格を有する技術者が航空機の安全性が確保されてい
 ることについて確認をしたときは、この限りでない。
2 第十一条第一項ただし書の規定は、前項本文の場合に準用する。
第十九条の二 耐空証明のある航空機の使用者は、当該航空機について航空機の整備
 又は改造の能力が運輸省令で定める技術上の基準に適合することについて事業場ご
 とに行う運輸大臣の認定を受けた者が当該認定に係る整備又は改造をした場合であ
 つて、運輸省令で定めるところにより、その認定を受けた者が当該航空機について
 第十条第四項の基準に適合することを確認したときは、第十六条第一項又は前条第
 一項の規定にかかわらず、これを航空の用に供してもよい。
2 前項の認定に関し必要な事項は、運輸省令で定める。
 (騒音基準適合証明)
第二十条 運輸大臣は、申請により、航空機の種類、装備する発動機の種類及び最大
 離陸重量の範囲が運輸省令で定めるものである航空機で第十条第一項の耐空証明を
 受けているものについて騒音基準適合証明を行なう。
2 騒音基準適合証明は、運輸省令で定める航空機の運用限界を指定して行なう。
3 運輸大臣は第一項の申請があつたときは、当該航空機の騒音が、運輸省令で定め
 る基準に適合するかどうかを検査し、これに適合すると認めるときは、騒音基準適
 合証明をしなければならない。
4 騒音基準適合証明は、申請者に騒音基準適合証明書を交付することによつて行な
 う。
第二十条の二 前条第一項に規定する航空機は、有効な騒音基準適合証明を受けてい
 るものでなければ、航空の用に供してはならない。
2 航空機は、その受けている騒音基準適合証明において指定された航空機の運用限
 界の範囲内でなければ、航空の用に供してはならない。
3 第十一条第一項ただし書の規定は、前二項の場合に準用する。
第二十条の三 次に掲げる航空機は、前条第一項の規定にかかわらず、騒音基準適合
 証明を受けないでも、航空の用に供してもよい。ただし、当該航空機が航空の用に
 供してはならない航空機として騒音の大きさその他の事情を考慮して運輸省令で定
 めるものに該当することとなつたときは、この限りでない。
 一 第二十条第一項の運輸省令の制定又は改正があつた場合において、その施行の
  際現に耐空証明を受けており、新たに同項に規定する航空機に該当することとな
  る航空機で、その騒音が同条第三項の基準に適合するように改造することが困難
  であると運輸大臣が認定した型式の航空機であるもの
 二 第二十条第一項の運輸省令の制定又は改正があった場合において、その施行後
  に耐空証明を受けた前号の型式の航空機で、その型式について、当該型式の航空
  機と同等又はこれに準ずる輸送能力及び性能を有し、かつ、その騒音が同条第三
  項の基準に適合する他の型式の航空機が実用化されていないと運輸大臣が認定し
  た航空機であるもの
2 第二十条第三項の運輸省令の改正により同項の基準が強化された場合において、
 その施行前に受けた騒音基準適合証明は、なおその効力を有する。ただし、その騒
 音が同項の強化された基準に適合するように改造することが困難でないと運輸大臣
    が認定した型式の航空機について受けた騒音基準適合証明については、この限りで
 ない。
3 第二十条第三項の運輸省令の改正により同項の基準が強化された場合において、
 前項の規定によりその受けた騒音基準適合証明がなお効力を有することとされた航
 空機及びこれと同一の型式の航空機(以下この項において「同一型式航空機」とい
 う。)についてその後行う騒音基準適合証明に係る同条第三項の基準は、なお従前
 の例による。ただし、次条第二項の運輸省令で定める航空機に該当することとなつ
 た航空機についてその後行う騒音基準適合証明又は同一型式航空機のうち運輸省令
 で定めるものについて運輸省令で定める日以後行う騒音基準適合証明に係る第二十
 条第三項の基準については、この限りでない。
 (騒音基準適合証明の効力の停止等)
第二十条の四 運輸大臣は、第二十条第三項、次条第一項又は第百三十四条第二項の
 検査の結果、当該航空機又は当該型式の航空機の騒音が第二十条第三項の基準に適
 合せず、又は当該航空機若しくは当該型式の航空機に係る耐空証明の有効期間の満
 了前に同項の基準に適合しなくなるおそれがあると認めるときは、当該航空機又は
 当該型式の航空機の騒音基準適合証明の効力を停止し、若しくは有効期間を定め、
 又は同条第二項の規定により指定した運用限界を変更することができる。
2 騒音基準適合証明は、当該騒音基準適合証明に係る航空機が航空の用に供しては
 ならない航空機として騒音の大きさその他の事情を考慮して運輸省令で定めるもの
    に該当することとなつたとき、又は当該騒音基準適合証明に係る航空機の耐空証明
 の有効期間が満了し、若しくは当該耐空証明が失効したときは、その効力を失う。
 (騒音関係修理改造検査)
第二十条の五 騒音基準適合証明のある航空機の使用者は、当該航空機について運輸
 省令で定める騒音に影響を及ぼすおそれのある修理又は改造をした場合には、運輸
 大臣の検査を受け、これに合格しなければ、これを航空の用に供してはならない。
2 第十一条第一項ただし書の規定は、前項の場合に準用する。
3 運輸大臣は、第一項の検査の結果、当該航空機の騒音が第二十条第三項の基準に
 適合すると認めるときは、これを合格としなければならない。
4 第二十条の三第三項の規定は、第一項の検査を行なう場合の第二十条第三項の基
 準について準用する。
 (命令への委任)
第二十一条 耐空証明書、型式証明書及び騒音基準適合証明書の様式、交付、再交付、
 返納及び呈示に関する事項、耐空検査員に関する事項その他耐空証明、型式証明、
 第十六条第一項の検査、予備品証明、騒音基準適合証明及び前条第一項の検査の実
 施細目は、運輸省令で定める。