税務上の取り扱い(個人)
 

===注意===

信頼できる各種の情報源から入手した法律、税務関係の資料を基に作成していますが、法改正や解釈の問題など、その正確性を保証するものではありません。また、将来にわたって、法律や通達が適用されることを保証するものでもありません。

  
(1) 航空機のリース(賃貸)に伴う所得
 
@ 所得の分類
 
航空機の賃貸による所得は、所得税法第26条第1項の規定により不動産所得に分類され、他の所得と合算して所得税、及び住民税が課税される。

また、この不動産所得の金額の計算上損失が発生した場合には、所得税法の規定に従って他の所得と損益通算ができる。

 
A 不動産所得の金額
 
不動産所得の金額は次の算式により計算する。
 
不動産所得の金額 = リース料収入 − (減価償却費 + 支払金利 + 諸費用)
 
減価償却費 原則として法定耐用年数ししたがって償却する。

航空機の法定耐用年数はその機体の最大離陸重量によって定められている。ナローボディー(狭胴)機の場合は8年、ワイドボディー(広胴)機の場合には10年となる。

償却方式は定額、定率のどちらでも任意に選べるが、定率法を採用する場合には、事前に税務署への届出が必要となる。

尚、中古機の場合は、見積耐用年数を使うことができるが、一般にはリース期間に対応した期間を耐用年数とするケースが多い。

 
支払金利 任意組合による金融機関からの借入金に伴う金利。

また、個人(投資家)が任意組合への出資金を金融機関からの借入金により調達する場合、その借入金に伴う金利負担も控除できる。

 
 

 

 
(2) 航空機の売却に伴う所得
 
@ 所得の分類
 
航空機の売却から発生する所得は、所得税法第33条第1項の規定により譲渡所得に分類される。

航空機の取得日以降5年を超えて譲渡されたものによる所得は長期譲渡所得に分類される。尚、保有期間がその年の1月1日現在で5年を超えていれば長期譲渡所得となる。2001年4月1日に購入し、2006年4月1日に売却すれば5年間保有したことになるが。売却した年の1月1日には購入後5年となってはいないので、税法上は短期譲渡所得に分類される。保有期間とは、取得した日から譲渡した日の属する年の1月1日までとなるので注意を要する。

 
A 譲渡所得の金額
 
譲渡所得の金額は、次の算式により求める。
 
譲渡所得の金額 = 航空機の売却価格 − (売却時の航空機の償却残高 + 航空機の売却に要した諸費用)  − 譲渡所得の特別控除額(50万円)
 
長期譲渡所得の金額は、課税所得の計算上、譲渡所得の金額の二分の一が他の所得と合算されて所得税、及び住民税が課税される。
 
(3) 航空機の全損に伴う所得
 
航空機が墜落等の不慮の事故で全損した場合、 リース事業は終了する。賃貸人である任意組合には、リース契約に基づいてその損害を補うための違約金が、損害保険金から支払われる。
 
不動産所得の計算上、航空機の残存帳簿価格(償却残)が雑損失、違約金(保険金)のうち雑損失と同額までが雑収入となり、相殺される。違約金額が残存帳簿価格を上回る部分は、これを雑所得とすべきとする見解と、資産の損壊に対する賠償金として非課税所得とする見解がある。
 
航空機の機体保険は、物件価格の105〜110%程度の金額で付保されている。従って、全損事故でも残高帳簿価格を下回ることはありえないが、リース契約上での違約金の金額の設定、もしくは算定方式に留意する必要はある。

また、損害保険は原則として、被った損害を担保するのが目的であり、実際の損害額以上の保険金を受け取ることが期待できるものではないことを理解すべきである。

 
(4) 事業税
 
航空機のリース事業は地方税法第72条の規定では、第1種事業に該当する。その投資が事業的規模で行われていると判断された場合には、事業税の課税対象となる。

ただし、所得税同様に不動産所得の金額の計算上損失が発生する場合には、他の課税所得と損益通算することができる。

航空機の売却による譲渡所得は、事業税の課税対象ではない。

 
(5) 為替変動
 
リース期間中、及びリース終了日の為替レートがリース開始時の為替レートと異なる場合、借入金の返済に伴い為替の差損益が発生する。所得税法では、為替差損益に関する詳細な規定はない。