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航空事情 航空ビジネス講座

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各論(2)  航空会社の収支 − 費用分析(1.直接費用) 4)機材リース料

 
この費用項目に含まれるのは、航空会社が自社で所有しない機材、及びファイナンス・リース(リース期間の満了時にリースの受け手である航空会社に、当該リース機材の買い取り、もしくは残価清算の義務あり、融資を受け当該リース機材を購入したのと同じ経済効果を持つ取引)以外のリース契約の下で使用している機材です。

また、単に機材のリースを受ける(ドライ・リース)だけでなく、機材に運航乗務員、客室乗務員、整備、保険などを含めてリースを受ける、ウエット・リースで調達した機材の費用も含みます。

通常、機材のリース料は月額で機材の購入費用の1%程度とされていますが、機種やリース期間、(ドル)金利、リースの受け手の信用状態、需給環境により異なります。例えば、2001年9月11日のテロ事件以降、リース料は大幅に下落しました。

航空会社の財務諸表で、機材のリース料は全体の運航費用から除外され、別記されることがしばしば見受けられます。そこで航空会社の収益力評価には、EBITDA(支払い金利・税金・減価償却・無形固定資産または繰越資産償却前利益のことで、金利・税率・会計基準の違いを最小限にした利益評価基準として国際的な企業の比較方法として用いられる。)にリース料を加えた、EBITDAR(支払い金利・税金・減価償却・無形固定資産または繰越資産償却、支払いリース料前利益)を用います。殆どの運航機材をリースで調達する航空会社もあり、購入し費用として減価償却費を計上する航空会社との、利益性の比較を可能にしてくれます。

ICAOの統計では運航機材のリース料は、航空会社の費用全体の6.9%を占めています。それでは、どうすれば運航機材のリースに伴う費用を削減することが出来るでしょうか。これは、航空会社が運航機材をリースするのか、それとも購入すべきかと、同様の問題です。どの方法が運航機材を調達するのに、最も効率的かの経営判断に委ねられます。しかし、小さな新規参入航空会社は、運航機材を購入するだけの十分な資本力や資金調達力がなく、リースで調達する選択肢しかありません。

機材の調達は経営判断に委ねられますが、その判断は、どの選択肢の現在価値(NPV: Net Present Value)が最も優れているかの分析になります。これは航空会社が、エアバス社の機体か、ボーイング社の機体か、どちらかを選択をするのと同じです。単純に導入時の費用だけでなく、予想される整備費用、運航費用など、将来発生する費用を含め、包括的に低費用な選択肢を選ぶことになります。リースするのか購入するのかの選択でも、新造機材の価格や金利、リース料、機材を使用する期間などを考慮の上、判断することになります。