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航空事情 航空ビジネス講座

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各論(2) 航空会社の収支 − 費用分析(1.直接費用) 3)保険料

 
保険料が航空会社の全費用に占める割合は従来、0.2%(2000年統計)と、極僅かなものでした。しかし、2001年9月11日の米国への同時多発テロ事件以降、数倍に跳ね上がっています。航空機の保険証券は、2つに分かれています。

まず、最初に通常時の保険としての、機体保険と損害賠償保険があります。機体保険は、機体や第三者の資産(他の機体や空港施設、地上の建物など)が飛行中や地上での事故により受ける損害を担保します。損害賠償保険は、乗客や第三者がけがなど身体的な損害に対して、航空会社に求める法的な賠償を担保する保険です。

機体保険と損害賠償保険の保険料は伴に上昇する傾向にありますが、特に損害賠償保険は、航空機の大型化に伴い潜在的な支払い保険金額が増加していることから、保険料の上昇圧力は強くなっています。事故に伴う保険金の請求額は、機体の旅客輸送能力が大きくなればなるほど、巨額になります。

一般に保険料(年額)は機体価格の1.5〜3%とされていましたが、2002年以降、安全性の高いカンタス・オーストラリア航空ですら、200%近く上昇したとされています。

次に有事の保険として、戦争危険保険があります。戦争危険保険は他の保険とは別の保険証券で、戦争による危険と、ハイジャックやテロ行為を含む戦争に伴う危険により、航空会社が被る機体や第三者の損害や損失を担保します。

2001年9月11日以前は、1回の出来事(破壊行為など)で発生する第三者の死亡やけがなど人的な損害や、資産の損失に対する最大担保金額は20億ドルでした。しかし、テロ事件以降は保険会社が引き受け額を、5千万ドルにまで極端に引き下げた上に、1人当たり1.25ドルの追加保険料を求めました。

殆どの航空会社は、低い保険額で運航を継続することに耐えられなかったことから、即座に多くの国の政府は、民間の保険会社で引き受けできなくなった戦争危険保険の不足分を、無償で担保しました。

従来の戦争危険保険は、紛争地域ですら機体価格の2%程度と、ここで挙げた3つの保険のなかで最も保険料の安い保険でした。

それでは、どのようにすれば保険料を減らすことが出来るのでしょうか。過去に事故を起こしていなかったり、事故発生率が低かったりする航空会社が支払う保険料は、低くなっています。航空会社としての安全管理が行き届いていれば、保険料を抑えることが出来ます。また、これからは就航する空港の保安体制なども、保険料に影響すると想像されます。