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航空事情 航空ビジネス講座

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各論(2)  航空会社の収支 − 費用分析(1.直接費用) 1)運航乗務員

 
直接費用の運航業務費用には次の費用項目が含まれ、全費用の30.9%を占めています。

○運航乗務員の賃金(退職金、年金、保険を含む)
○燃料代
○運航機材、及びその他機材のリース料
○運航機材の保険料
○空港での着陸料、及び航行援助料

1)運航乗務員賃金、及び諸費用

機長(キャプテン)、副操縦士(ファースト・オフィサー、セカンド・オフィサー)、航空機関士(フライト・エンジニア)の賃金は、航空会社が負担する全費用の8.6%を占めています。運航乗務員の賃金が10%増加すると、全体の費用が1%増加するとされていますので、経営者は十分な注意を払う必要がある費用項目と言えます。

米国の航空各社の運航乗務員の賃金は、組合組織が同じ組織で、生活水準がほぼ均一で、為替の影響も受けないことから、ほぼ同じだとされています。しかし、他の地域では、それぞれの特色から違いが出ています。欧州では、早くから民営化が進められたブリティッシュ・エアウェイズに対して、国営のままのアリタリア航空などは、運航乗務員の賃金は数割、高い水準を維持しています。また、アジアでは生活水準の違いから、運航乗務員の賃金にも大きな開きがあります。マレーシア航空の運航乗務員の賃金は、全日空やキャセイ・パシフィック航空の3分の1から4分の1程度です。

1990年代初めに規制緩和が進み、運賃を始め、新規の参入や撤退が自由化されたオーストラリアでは、運航乗務員の賃金も低く抑えられています。カンタス・オーストラリア航空の運航乗務員の賃金は、全日空やキャセイ・パシフィック航空の半分程度です。同社は子会社として新たに設立したオーストラリア航空では、更に低い賃金で運航乗務員を雇用していると見られています。特に、オーストラリアではアンセット航空が経営破綻したことで、雇用側の交渉力が高まりました。

如何にして運航乗務員に係わる費用(賃金)を抑えるかは、減給したり、賃金の上昇や上昇率を抑えたりするだけではなく、生産性を向上させることでも実現できます。運航乗務員は運航機材に合わせて配置されます。従い、運航機材が駐機状態にあるときは、その機材に配置された運航乗務員も生産を停止しています。機材の運航効率を高めることは、単位(飛行時間や提供座席距離)毎の費用を抑え、運航乗務員の生産性を高めることになります。