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航空事情 航空ビジネス講座

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各論(2)  航空会社の収支 − 費用分析(2.間接費用) 

3)発券・販売・マーケティング費用

 
この費用項目には、本社や支店で航空券の販売を担当する従業員の賃金、販売促進活動、広告活動での費用、旅行代理店への航空券や旅行商品の販売に伴う支払い手数料などが含まれます。

大手の航空会社は販売する航空券の7〜8割を、旅行代理店を通じての販売に依存し、航空券に記載された運賃の1割程度を手数料として支払っているとされています。一方で、大手の航空会社が、1件当たりの販売費用が数円程度のインターネットを通じて販売する航空券は、1割程度に留まっているとされています。

これが低コスト航空会社との競争に於いて大きな差となっていますが、前向きに考えれば、大手の航空会社はこの項目で大幅に費用を削減できる余地を残していることになります。大手の航空会社では、インターネット上での限定運賃などを設定して、顧客によるインターネットを通じての予約・販売を促進し、費用の削減を図っています。

大手の航空会社は航空券の販売で、旅行代理店に大きく依存しています。国際線や業務目的(ビジネス)の顧客の場合、特に旅行代理店を通じての予約・販売に依存しています。航空会社が独自の営業拠点から、個々の顧客に航空券を販売する体制を構築し、維持するのには限界があります。また、複数の旅行代理店を通じて販売することで、顧客へのサービスも向上すると考えられています。

顧客が旅行代理店を通じて予約する場合、どの航空会社を利用するかは、旅行代理店の判断となる場合が多くあります。また、航空会社は販売実績の良好な旅行代理店から優先的に空席を割り振ることなどで、高い収益性と座席稼働率を実現することが出来ます。大手の航空会社は、旅行代理店を通じての販売と独自の利益管理(イールト・マネージメント)システムを組み合わせることで、効率的に座席を販売しています。

低コスト航空会社の多くは、乗り継ぎ便の必要な国際線、もしくは長距離国際線を運航しない他、国際線からの乗り継ぎ乗客の利用も期待していません。また、低コスト航空会社は、業務目的で普通運賃や比較的に高い運賃を払う乗客の利用も期待していません。大手の航空会社と異なり、低コスト航空会社が航空券の販売で、旅行代理店に依存しないのはこのような背景があります。

以上のようなことから、旅行代理店を通じての販売から、大手の航空会社がインターネットなどを通じての航空券の顧客への直接販売に切り替えるのには、限界があると考えられています。