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各論(2) 航空会社の収支 − 費用分析(1.直接費用) 8)減価償却費 |
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航空会社は運航機材を定額法で減価償却する傾向があります。一般的な残存価値は、購入価格の0%〜15%です。航空会社は1970年代や1980年代以前は、運航機材を12年以下で減価償却していました。しかし、1)航空機の技術が1970年代にB747型機が登場したことなどで頂点に達したことや、2)新たな機材の導入費用が、以前の機材と比較して高くなったことなどで、機材の減価償却期間は長くなる傾向にあります。 例えば、カンタス・オーストラリア航空は、ジェット機の機体とエンジンなどを20年間で、残存価値0%から25%まで減価償却しています。機体とエンジンは残存価値0%まで、座席やアビオニックス(航行機器)、無線機など、その他付属品は残存価値25%まで減価償却しています。2年程前にカンタス航空から退役した、B747SP型機の簿価はゼロでした。また、シンガポール航空は運航機材を、10年間で減価償却しています。 ICAOの費用項目では、減価償却を次の3つに分類しています。
減価償却費は航空会社の運航費用の6.3%を占めていますが、その大部分は機体やエンジンなど運航機材に伴うものです。減価償却費は、所有する固定資産の価値が低下するのを損益上に反映させ、将来の再投資に備えるものです。固定資産に係わる費用ですので、資産の稼働率を向上させることで、単位当たり(供給座席距離、もしくは飛行時間)の費用を低減することができます。運航機材が1日6時間飛行しても12時間飛行しても、その機材の減価償却費は変わりません。 |
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