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航空事情 航空ビジネス講座

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各論(1) 航空会社のリスク − リスクの特徴(上)

 

財務リスクには、経済変動一般や為替変動など、収入やキャッシュ・フロー(現金の収入と支出)に影響を及ぼす外部要因を含む、資本金と手元流動性資金(現金、及び流動性預金など)の管理が含まれます。

偶発リスクを除けば、主に商業銀行(市中銀行)、投資銀行(証券会社)、各種金融市場、デリバティブ市場などの多くの第三者が提供してくれることで、財務リスクを抑える手法は技術的に進んでいます。ストラクチャード・ファイナンス(リスクやキャッシュ・フロー、担保などを債務者から分離することで、資金調達を容易にし、費用を下げる金融手法)、デリバティブ商品、保険商品など、財務リスクを回避する為の金融取引が考案され、利用されています。

戦略リスクは、ビジネスのデザインの選択と定義され、様々な外部要因と如何に相互作用させるかが課題となります。新たな形態との競争(低コスト航空会社の増加と成長)、顧客志向の変化(運賃やサービス内容の選択)、業界の統合(国際的な業務提携の形成)は全て、戦略リスクです。

これらの戦略リスクの多くは、顧客に焦点を絞った企業文化の形成、厳格な戦略策定の過程、独自の経営組織を維持することなどの、従来的な対応で抑えられます。しかし、戦略リスクは、初めに適切なビジネス・デザインを選択することで、その多くを軽減させることが可能です。

例えば、米国の低コスト航空会社のサウスウエスト航空は、定時発着性では旅客の支持を得ていますが、乗り継ぎ出来ない運航形態などは不評です。しかし、そのお陰で費用効率は高くなっています。

サウスウエスト航空は、他の大手航空会社のようなハブ・アンド・スポーク方式の路線網を持たないことから、定時運航を維持する為の運航体制上の大きな問題を抱えていません。また、従業員への利益還元策や仕事を楽しむ企業文化は、労使間の緊張を和らげる働きを持っています。