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航空事情 航空ビジネス講座

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◆7E7型機(下)◆

 
ボーイング社の11人の役員は誰ひとりとして、7E7型機の開発計画に付いて公の場で、その意向を表していないが、少なくともふたりが、開発費用が掛かり過ぎることなどを理由に反対しているとされている。そのひとりは、1997年にボーイング社が買収したマクダネル・ダグラス社の創業者を父とし、ボーイング社最大の個人株主のひとりでもある、ジョン・マクダネル氏 だとされている。

反対しているもうひとりは、ハリー・ストーンサィパー氏だとされているが、両氏は単に反対するのではなく、民間航空業界の将来が不透明であることから、技術者に対して開発費用を40%削減するように求めているとされている。反対しているふたりを、7E7型機の開発に前向きにさせるには、顧客の支持を得て、開発段階での受注数を伸ばすことと、内部努力で設計・開発費用の削減を実現する以外にないようだ。

航空分野の専門家達は、ボーイング社が開発を断念した、これまでの飛行機より高速なソニック・クルーザーの開発よりも、燃料効率の高い飛行機を開発する方が、技術的には容易だとしている。7E7型機は、B757型機やB767型機よりも10%程度、運航効率を改善するとしている。(補足:燃料効率は20%の改善としている。運航効率は、整備など他の費用が考慮されている。)高速でも燃料効率の悪い飛行機よりは、現在の航空業界を取り巻く環境を考えれば、航空会社の関心を得ることが出来るのは明白だろう。

燃料効率の高い飛行機を開発することは、全く魅力や興奮にも欠けることだが、確実に受注を得ることだろうと、元マクダネル・ダグラス社のチーフ・エコノミストのアダム・ピラルスキー氏は述べている。また、これまでのアルミニューム合金の機体に、燃料効率を改善する為に複合材を多用することで、飛行機の耐用年数は30年と言われた従来から、その耐久性の高さから、倍に伸びるとされている。

7E7型機は、初期型を3クラスの座席配列で200座席、航続距離はニューヨークから香港へ無着陸飛行が可能な6,600海里と設定している。欧州やアジアの航空会社から要望の高い短距離型は、航続距離3,000海里とし、片側で10フィートの長さのウイング・チップを外して軽量化を図るとしている。胴体延長型は、更に航続距離を8,000海里と伸ばした上で、250座席とし、2008年の初期型の路線就航から2〜3年後のロール・アウトを予定している。

ボーイング社は、7E7型機の貨物搭載能力の高さを航空会社への、売りのひとつとして強調している。7E7型機の初期型は、エアバス社のA300−600型機と比較した場合の貨物搭載容量は60%、胴体延長型をA330−200型機と比較した場合には50%、それぞれ増加するとしている。ボーイング社では、運航効率の改善だけではなく、旅客と貨物の双方で航空会社の収入を、最大限に引き出せる機体となることを考慮しているとしている。

ボーイング社の最高経営責任者(CEO)のフィル・コンディット氏は11日、シカゴ・トリビューン紙のインタビューに対して、同社の役員会は年内にも7E7型機の初期段階の、商業ベースでの開発を承認するだろうとの見解を示した。他の役員を含め、これまでにない開発への強い意気込みと確信を示したとされているが、やはり、そこに至るまでの7E7型機への航空会社からの期待も高かったことを暗示しているようだ。同氏は、7E7型機の開発は1年以内に、完全な役員会の承認を得て、開発・設計から生産体制の構築へと、フル・スケールに展開していくとしている。