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航空事情 航空ビジネス講座

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◆7E7型機(上)◆

 
ボーイング社は8日、6月中旬のパリ・エアー・ショー以来となる、7E7型機の開発への検討状況の進展に付いて記者会見を行った。同社はこれまでに、世界の航空会社50社と7E7型機の開発計画に付いて協議したが、計画への評価は高く、コンペ−リングな(人を動かさずにはおかない)飛行機だとしている。

ボーイング社は7E7型機に付いて、初期型を座席数200、航続距離6,600海里と設定、欧州やアジアの航空会社から要望の高い、短距離型にも適応させることも可能とし、胴体延長型は更に航続距離を8,000海里と伸ばした上で、座席数250を予定している。同社では、年末か来年早々までに仕様を決定し、航空会社への販売を開始したいとし、初期型を2008年に、最大離陸重量41万ポンドで、路線就航させたいとしている。

7E7型機の組み立て工場誘致を巡っては全米で熾烈な競争が展開されている。ボーイング社で組み立て工場の選定を担当しているのは、シアトル地区に住んだことも、民間航空機に携わったこともない、オクラホマ州ツルサ出身のマイク・バーニー氏だ。バーニー氏は3月31日に、アラバマ州のデルタ・ロケットの工場から、7E7型の組み立て工場を選定する極秘チームを率いる為、シアトルに移動した。ボーイング社は彼の人事異動を公表しなかった。また、ボーイング社は彼へのインタビューも拒否している。

バーニー氏は1997年に、ボーイング社が14州38の候補地から、新たなデルタ4型ロケットの製造工場を選定する際に、候補地からより好ましい奨励策を引き出す交渉で、中核的な役割を担った人物だ。彼の率いるチームはボーイング社に、長年に渡りロケットを生産してきたカリフォルニア州ハンティングトン・ビーチから、4億1,000万ドルの巨費を投じて、アラバマ州ディケーターに移転することを決断させた。

その当時、バーニー氏と交渉に当たった人物たちは口々に、彼の感情に流されない、ビジネスに対するコスト意識の高さと、禁欲的な性格を振り返る。ディケーターと最後まで誘致を争ったフロリダ州ティツゥビルを代表して、バーニー氏との交渉に臨んだフロリダ州スペース・コースト経済開発組合の最高責任者リンダ・ウェザーマン氏は、「あなた方は、候補地から海岸までの距離や地理的条件を変えることは出来ない。出来ることは誘致への奨励策を変えることだけです。」と言われた。彼女はバーニー氏が、愛想良く、丁重な交渉相手で、歯に衣を着せたようなことを言わない人物だったと回想する。彼女は、少し彼を知れば、非常にいい人物だと分かるが、第一印象はミスター・ビジネスだったとしている。

ボーイング社は5月に、7E7型機の組み立て工場を誘致したい地方公共団体に対して、37ページに上る提案要請書を配布し、非公開契約書を結ばせていることから、工場の選定状況を知るには、憶測するしか方法がない。

ボーイング社では、空輸を予定している翼や胴体などの主要部品のバック・アップとして、工場近くに水深の深い港があることを条件とすると見られている。また、日本などアジアからの部品調達を考えた場合、ワシントン州の候補地、エバレットやモーゼス・レークに決まるのではとの観測が高まっている。日本が同型機開発への参画を国家プロジェクトとして予算措置を施すのではとする期待が、これを後押ししている。

既にワシントン州は6月、7E7型機の組み立て工場誘致に向け、航空宇宙産業への20年間で30億ドルを上回る減税法案を可決している。現在のB737型機の組み立て工場の従業員数約3,000人に対して、ボーイング社では7E7型機の組み立て工場で、800〜1,200人の雇用を予定している。しかし、ワシントン州では7E7型機が他の州で組み立てられることになれば、将来的には約48,000人のボーイング社の雇用、関連産業での約70,000人の雇用が失われ、年間で5億ドルの税収の落ち込みとなると、懸念している。(つづく)