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航空事情 航空ビジネス講座

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4. 安全な飛行のために

 

事故調査

米国国家運輸安全委員会
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米国では国家運輸安全委員会が、全ての政府機関から独立した大統領直轄の機関として、航空機事故を含む、輸送全般での事故調査を取り仕切ります。その管轄には、人員の輸送を想定しないパイプラインの事故なども含まれています。

連邦議会は1967年に運輸省を定める法律の下、国家運輸安全委員会の設置を決めました。それまでの航空機事故の調査は、民間航空委員会が行っていました。

当初、国家運輸安全委員会は5人の委員から構成される、運輸省内の独立機関で、事故調査の支援を行うだけのものでした。しかし、1974年の輸送法で、運輸省から外れ、完全な独立機関となりました。その委員は大統領により任命され、連邦議会上院によって承認を受けます。委員の任期は5年で、委員長、副委員長は委員から互選により選任され、その期間は2年です。

ふたつの目的と権限
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国家運輸安全委員会には、事故の原因を究明することと、安全性を高めるための提言をおこなうと言う、ふたつの目的が課されています。同委員会には、新たに独自の規則を課す権限は与えられていません。新たな規則を課す権限は、連邦航空局にしか与えられていません。しかし、国家運輸安全委員会が示す提言の多くは、何年にも及ぶ連邦航空局や航空産業界の調査、研究を経て、新たな規則として施行されます。
 

事故発生
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航空機事故が発生すると、国家運輸安全委員会は事故調査の過程に従い専門家で構成される調査チームを派遣します。調査チームは通常、委員会の委員と、航空管制、機体整備、運航それぞれの専門家と、目撃者等からの聴取にあたる専門的な訓練を受けた係官から構成されます。

まず、調査チームは必要と考えられるだけの時間をかけて、事故現場の調査にあたります。それから、事故調査は国家運輸安全委員会の研究所へと調査の現場を移します。そこでは、通称でブラック・ボックスと呼ばれる、フライト・データ・レコーダーとコックピット・ボイス・レコーダーを含む事故原因究明の手がかりの解析が進められます。

ブラック・ボックス
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コックピット・ボイス・レコーダーには、最低30分以上、操縦室と地上管制官や他の航空機との会話が繰り返し記録されます。また、フライト・データ・レコーダーには、航空機の高度、速度、操縦翼面の状態等の運航状態が繰り返し記録されます。

公聴会
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通常、国家運輸安全委員会は公聴会を開き、目撃者の証言や、様々な専門家の意見を聞き、追加的な情報収集を行います。また、公聴会は事故原因と考えられる問題を一般に広く提言する役割も負っています。

最終報告
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国家運輸安全委員会は、委員全員が出席する公開委員会をワシントンで開催し、事故の原因と考えられる問題に付いての最終報告を公開します。通常、最終報告が出るまでには事故発生から数ヶ月間の期間が必要です。しかし、事故調査の過程から安全処置が緊急に必要と考えられた場合には、国家運輸安全委員会は最終報告を待たずに勧告を出します。