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航空事情 航空ビジネス講座

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4. 安全な飛行のために

 
機体証明

米国の連邦航空法は、米国で運航される全ての民間航空機に、連邦航空局から機体の耐空性を確認されることを義務付けています。これは日本の場合にも同じで、連邦航空局が国土交通省航空局に置き換えられます。

その対象となる民間航空機は、全米で20万機を超えています。その大部分は、娯楽や訓練を目的として、個人や会社で保有する小型の飛行機や、農業用の薬剤散布機など、ジェネラル・アビエーションと呼ばれる分類の航空機です。

型式証明
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連邦航空局の機体の生産に関する認証の過程は、航空機の設計段階から始まります。連邦航空局の技官は、航空機の設計段階から参加します。また、技官は試作機の製造過程、試験飛行を監督します。全ての試験に合格する(耐空性基準に適合する)と、連邦航空局は新しい型式の航空機に、型式証明(Type Certificate)を発行します。

生産証明
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更に、連邦航空局は、機体の製造者が試作機と同様の機体を適切に製造する能力があると認めた場合には、生産証明(Production Certificate)を発行します。

耐空証明
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機体証明の最終段階に、製造ラインから出てくる個々の航空機の耐空性を確認した上で発行される、耐空証明(Airworthiness Certificate)があります。耐空証明は、その航空機が認められた設計に従い、適切な過程を経て生産され、運航するのに安全であることを証明するものです。

フェール・セーフ
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連邦航空局は、全ての民間航空機の設計において、必ずひとつの系統が故障しても、他の系統が使えるように、2重、3重の系統を備えることを要求しています。例えば、通常は操縦席の操作盤上にあるハンドルで、着陸装置の上げ下ろしを操作しますが、これが故障した場合にはクランクを使って手動で着陸装置の上げ下げが出来るようになっています。また、地上との無線通信も、複数の方法で連絡できるようになっていますし、航空機の操縦も複数の方法で操縦できる設計となっています。

耐空性改善命令
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航空機が全ての認証過程を経て、飛行(運航)を開始した後に、設計上の問題点が発見され、運航上の安全性に懸念がある場合、連邦航空局は、耐空性改善命令(Airworthiness Directives - ADs)を発行します。連邦航空局は、耐空性改善命令を発行することで、全ての当該航空機(または、エンジン)の運航者に、問題となっている不具合を解消するために要求される、適切な点検、修理、改修の方法を指示します。

通常、耐空性改善命令は当該航空機(または、エンジン)の製造者と協議を重ねた上で書かれます。しかし、製造者が出すサービス・ブリテン(Sevice Bulletins - SBs)とは異なり、耐空性改善命令は法的な強制力があり、航空会社、運航者はそこに書かれた指示に従わなくてはなりません。

もしも、問題がすぐさま安全上の障害となるような内容であった場合、連邦航空局は、航空会社、運航者に対して、緊急の点検、修理、改修を求めることもあります。時に、その緊急性が、次の飛行を行う前であることもあります。

既に耐空証明を受けた航空機は、十分に設計段階から安全性の確認を受けてきた機体です。耐空性改善命令が出された場合でも、殆どの場合は、すぐさま安全性の障害となるようなことではなく、通常は航空会社や運航者には要求された点検、整備等を行うのに、十分な時間的猶予が与えられます。