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航空事情 航空ビジネス講座

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3. 規制緩和

 
新規参入
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規制緩和は航空会社が運航する路線を、再編させる以上の影響をもたらしました。連邦議会が期待したように、規制緩和は航空ビジネスへの新規参入の門戸を開きました。1978年には43社だった、ジェット機を運航する定期航空輸送会社は、現在までに倍増しています。

市場の変化に伴い、航空会社の数は増減を繰り返しましたが、1998年までの数年間は、低コストで不必要なサービスを削った航空会社の出現で、その数は増加しました。そのような新たな航空会社の出現には様々な要因が挙げられますが、湾岸戦争後の航空不況で航空会社の倒産が相次ぎ、中古飛行機の価格が下がり、パイロットや整備士をはじめとする航空輸送従事者の雇用が容易だったことが最大の要因でした。

日本でもここ数年で航空会社数社が新規参入、もしくは参入準備を進めていますが、この点だけを取り上げても、米国の場合とは環境が大きく異なることが分かります。それら新規参入航空会社が経営に苦しんでいるのは、高利益が期待出来る路線の枠に制限がある為ではなく、米国の新規参入会社と比較した場合にコスト高なのです。

激化する競争
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新規参入の航空会社に、既存の航空会社による急速な市場(路線網)の拡大が重なり、米国の航空業界は嘗て経験したことのない、激しい競争が展開されました。今日、航空機を使って米国内を旅行する旅客の85%は、同じ路線で二つ以上の航空会社を選ぶことが出来ます。この数字は1987年には66%でしかありませんでした。

事実上、航空会社は全ての主要路線で激しく競争しています。ハブ・アンド・スポーク・システムの浸透で、地方路線でも競争が進み、旅客は質の良いサービスを受けることが出来るようになりました。直行便による路線網の時代には考えられなかったことです。競争の激化は、比例して、地方路線でも起きたのでした。

割引航空券
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激しい競争は各種の割引航空券の企画を航空会社に促しました。旅客にとっては割引航空券こそが、規制緩和によってもたらされた最も重要な産物と言えます。1978年と比較した場合、全体として35%実質的に航空運賃は下がっています。州を超えたバスや鉄道輸送が競争できない程、航空運賃は下がり、今日の航空輸送は米国内の都市を結ぶ最も重要な輸送手段となっています。

1999年にブルッキングス研究所は、航空業界の規制緩和により旅客は年間で200億ドル以上の旅費を節約したと試算しています。その内55%が、航空運賃が下がったことによるもので、残り45%は、便数の増加により旅行過程での宿泊数が減ったことによるものです。安く旅行出来るようになっただけではなく、利便性も高まったわけです。

現在では、旅客の9割が何らかの割引航空券を利用し、その運賃は平均で普通運賃の約65%です。