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航空事情 航空ビジネス講座

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1.航空の経済 (5)

 
機材計画

トップの判断
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航空会社が運行する自社の路線にどの航空機を使用するかは、経営上非常に重要な判断が求められます。どの航空機を使用するかによってその航空会社の経営(財務)状態が左右されると言っても良いでしょう。従って、導入する航空機の選定、購入には、航空会社の整備、技術、品質管理、財務、営業、運行等多くの部門が関係してきますが、最終的にはどの航空会社でも、経営のトップレベルが判断を下しています。

検討要素
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新たな機材導入を検討する際には、現在その航空会社が運行する機材構成等、多くの要素を考慮しなくてはなりません。現在運行する機材を更新する必要性は本当にあるのか。その航空会社はどの路線での運行を拡大する計画を持っているのか。その機材の燃料消費率はどのくらいか。整備費用はどのくらいか。運行乗務員の数は、そして訓練費用はいくらかかるか。機材の導入を検討するにあたっては、多くの要素への答えを準備しなくてはなりません。

効果
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一般的に、新しい航空機は古い航空機よりも効率性が高く、低コストでの運行が可能です。例えば、ボーイング社はB757型機をB727型機の代替機として設計しましたが、B757型機はB727型機よりも燃料効率は良くなっています。更に、B727型機では 機長、副操縦士、航空機関士の3名が運行乗務員として必要でしたが、B757型機は航空機関士をなくし、2名の運行乗務員での運行が可能となりました。また、航空機は古くなれば、整備費用がかさんで来ます。

財務部門の役割
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新しい機材を導入することで、その航空会社の生産性は上がりますが、新規機材の導入費用との比較検討をしなくてはなりません。財務上、その航空会社は航空機を購入する為に、更なる借入金や債券を発行することが可能でしょうか。新規機材の導入でその航空会社の利益はどう変化することが期待出来るのでしょうか。その航空会社の格付けはどうでしょうか、それによってその航空会社が負担する借り入れコストが決まります。新規に株式を発行する増資を行うことは可能でしょうか。個人が家や車の購入を検討する時のように、新規航空機の導入では、航空会社の財務部門は重要な役割を担っています。

営業戦略
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新規航空機の導入では、営業戦略も考慮しなくてはならない重要な要素です。例えば、ある航空会社が国際線市場での拡大を狙っているのなら、長距離型のワイドボディー機の導入は避けて通れません。逆に、国内線を主に市場とする航空会社なら、長距離型の航空機は必要ありません。需要動向の変化によっては、航空機の構成もその変化に合わせる必要があります。市場に対して適切な航空機を運行することは非常に重要なことです。大きすぎる航空機では売れ残った座席を毎日運ぶことになります。逆に、小さすぎる航空機では収益の機会を逸してしまいます。

景気動向
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通常、航空機メーカーは2〜3年分の発注残高を抱えています。従って、ある航空会社がこれから新規に航空機を発注すると、引き渡しを受けて自社の路線に投入出来るまでに2〜3年程度かかることになります。航空会社は新規航空機を発注する前に、2〜3年先の経済情勢を予測しなくてはならないことになります。この予測が判断を下すにあたって最も難しい部分と言えるでしょう。それは誰にも、数ヶ月先の経済情勢ですら正確に予測することは出来ないからです。

過去には、経済が後退する局面で多くの高価な航空機が引き渡し時期を迎え、航空会社の財政状態を苦しめたことがあります。逆に、予期せぬ航空需要の拡大期が訪れ、新規航空機の発注残を持っていた航空会社が有利に業務を拡大し、市場を席巻したこともあります。
 
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