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1.航空の経済 (2) |
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収入と支出 (1)収入 米国の航空輸送産業全体では、収入の約75パーセントは旅客収入から、15パーセントは貨物収入で、その大部分は郵便事業からです。米国の民間航空輸送が、航空郵便事業の発展の上に成り立ったことを象徴しているようです。残りの10パーセントは、その他の航空輸送関連事業からです。 勿論、航空貨物専門航空会社の場合は、殆どの収入が貨物輸送からです。また、旅客航空会社も客室下の貨物室を使い貨物の輸送を引き受けますが、収入の10パーセント以下です。 国内線 ------ 旅客輸送の80パーセント近い収入は国内路線からです。米国以外の国を出発地、もしくは目的地とする旅客収入は20パーセント程度と言うことになります。米国の航空会社が販売する航空券の90パーセント以上が何らかの割引を適用したものです。平均割引率は通常料金の3分の2です。従って、通常料金で搭乗する乗客は10パーセント以下で、その殆どは出発まじかに航空券を購入したビジネス旅客です。 フリクエント・フライヤー ------------------------ しかし、ビジネス旅客の殆どは割引航空券を利用しています。年間10回以上の旅行をするフリクエント・フライヤーと呼ばれる旅行者は、人数にすると極少数ですが、この人たちの航空便利用は著しいものです。調査によると、この人たちは全航空便利用旅客の8パーセントにしか過ぎませんが、航空需要の40パーセント近くを占めています。 旅行代理店 ---------- 航空券の販売では、旅行代理店の役割は重要です。販売される航空券の8パーセントは旅行代理店を通じて販売されます。殆どの旅行代理店では航空会社のコンピュータと直接つながった予約システムを持っていて、スケジュール、予約状況、料金がリアルタイムで確認出来、その場で航空券の発券も可能です。 航空会社は販売された航空券に対して、旅行代理店に手数料(コミッション)を支払います。米国には4万以上の旅行代理店があり、航空業界に広範囲な小売販売網を提供しています。 同様に、航空貨物の分野では独立した代理店も存在し、航空会社と荷主の間をつないで航空会社の販売に寄与しています。 (2)支出 1999年に米国運輸省がまとめた報告では、米国の航空会社の支出は次のようになっています。 ○ 航空機の運行費用(27パーセント)、燃料費、パイロット等の運行乗務員人件費。 ○ 航空機の整備費(13パーセント)、交換部品代、整備士等の人件費。 ○ 空港経費(16パーセント)、空港での業務費用、空港従業員の人件費。 ○ 販売費用(13パーセント)、航空券の販売費用、宣伝広告費、旅行代理店への手数料。 ○ 旅客サービス(9パーセント)、機内サービス費用、客室乗務員の人件費。 ○ 輸送関連(10パーセント)、地上での輸送費用、機内販売費用。 ○ 一般管理費(6パーセント)、本社機能の費用。 ○ 減価償却(6パーセント)、航空機、その他機材の減価償却費。 大きな人件費 ------------ 人件費は殆どどの部門でも発生しています。航空会社の運行経費全体の35パーセト、航空会社側で管理できる費用の75パーセントを占めています。また、燃料費は総費用の10〜12パーセントを占め、航空会社にとっては2番目に大きな費用項目です。 費用の変化 ---------- そして、旅行代理店への支払手数料は6パーセントを占めて、3番目に大きな費用す。この費用は近年の電子商取引の発達で航空会社が直接旅客に航空券を販売する機会が増え、減少する傾向にあります。 逆に、航空機の離着陸料、空港ターミナルビルの使用料等が上昇する傾向にありす。 |
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