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航空事情 航空ビジネス講座

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1.航空の経済 (1)

 
事業の性格

サービス産業
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航空輸送に用いられる航空機や空港の機材のお陰で航空事業そのものが、基本的にはサービス産業であることを見失いがちです。航空会社は顧客に対して、ある地点から別の地点まで、顧客と顧客の手荷物、もしくは顧客が預託した荷物を合意した料金で運ぶサービスを提供しています。その点では、航空会社は銀行、保険会社、理髪店のような他のサービス産業に類似しています。

そこでは顧客が支払う対価に対して、顧客には目に見える商品は与えれません。また、そのサービスは後で販売出来るように事前に生産したり、在庫を抱えたりする事は出来ません。

資本集約的産業
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他のサービス産業と異なることは、航空事業を始めるのには店舗や電話以上の機材を必要とします。航空事業を始めるには、航空機、空港の地上ハンドリング施設、最低限の整備設備など高価な道具や設備が必要です。そのため、航空産業は事業を維持運営していく為に巨大な資金を必要とする、資本集約的な産業となっています。

それら機材は航空会社が株式を発行したり、銀行から借り入れたりした資金で購入されす。それらの機材をリースすることも増えてきています。また、自社で保有していた機材を一旦売却してリースを受けること(リースバック)もあります。

どのような手段で航空会社が機材に投資する資金を調達しようと関係なく、資金需要を満たす為には航空会社が継続的に利益を上げることが重要です。

キャッシュフロー
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航空会社は高価な航空機を多く所有しています。航空機は一定期間で減価償却されます。航空機は減価償却と運航から得られる利益の双方から、キャッシュフローを生み出します。航空会社は得られたキャッシュフローで借入金を返済したり、新たな航空機を購入したりします。従って、利益が減少しキャッシュフローが減退すると、航空会社が借入金を返済したり、新たな航空機を購入したりすることが出来なくなります。

労働集約的産業
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航空事業は労働集約的な産業でもあります。航空会社は、パイロット、客室乗務員、整備士、手荷物係り、予約担当、空港の旅客係り、保安要員、コック、機内の清掃係り、経理担当、法務担当、管理職など様々な職種の従業員を多数雇用しています。

コンピューター技術の発展は、航空会社の多くの業務を合理化することに貢献しました。しかし、航空事業を根本的に変えることは出来ません。航空事業はサービス産業です。顧客は人が対応してくれる事を期待しています。航空会社が稼いだ利益のおよそ3分の1は従業員の給料にあてられています。利益に占める労働費用は、どの産業と比較しても最大です。

低いマージン
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航空会社の最終利益は、好調な場合でもマージンとしてはかなり低いものです。米国の場合、航空会社の利益率は1〜2パーセント程度で、米国の全産業平均の約5パーセントと比較するとその低さが分かります。

季節要因
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歴史的にも、航空産業は大変季節要因に左右される産業です。一年の内で多くの人々が休暇をとる夏場は非常に繁忙な時期となります。逆に、冬場は一時的にクリスマス休暇等で忙しくなりますが、一般に需要は低迷します。このような需要に山や谷があることは、当然のことながら航空会社の収益にも影響を与えます。需要と同様のパターンで、航空会社の収益も変動します。

この変動は平準化されてきてはいますが、現在でもこのパターンは存在しています。規制緩和に伴う需要の増加が、谷の部分を押し上げてきています。